今日は自主的なボランティアチームが入っている被災現場に行ってきました。
2階まで浸水した家。中の物を出して、内側の壁は剥がしていますが、床面はまだ整備できていない状態です。
こういう状態の家が、この地区にはまだたくさんあるようで、家の内部状態の判断(リフォームの可、不可)などについては素人では判断がつかず、専門家の指示待ちというところも多いようです。
今回は、家の周りの整備のお手伝いに参加
知り合いがやっている「大地の再生」の手法で、自然の力による住宅の敷地の改善、復活作業のお手伝いに参加。
自然界にはもともと流れが存在し、例えば、けもの道がありますが、その下には水脈・流れがあるんだそうです。けものはそれを知ってか感じてか、その上を走って、草をかき分ける。するとそこに空気が流れ込む。または、けものが走った後に空気が流れ込んで、その下に見えない流れができる…。みたいな感じで、どうも共鳴しながら自然のシステムの調整が行われているみたいなんですね。
また、自然の地形には、人工物のような直線は存在しない。
沢や谷のような自然にできる形には必ずうねりがあり、デコボコがある。空気や水の流れがぶつかると、そこに渦ができる。そうやって空気がたくさん取り込まれるところでは、微生物が活性化するし、植物も元気になる。
そんな中で、水も保水されたり、適切な流れができたりする。そういうところから生態系の豊かさが生まれていくのだそうです。
ところが、コンクリートで固めたり、道路で舗装して圧縮したりすると、そういう空気の流れ~水の流れがせき止められてしまって、呼吸できないような状態になる。目詰まりする。そうするといったん溜まった水が動けなくなる。そうなった土はヘドロみたいになって死んでしまう。空気のはけ口~水分のはけ口を失った水は、どんどん溢れて広がって行って、やがて抜け道(補強されていないような場所)から一気に流れ出ようとする。その時に、死んでヘドロみたいになったゆるゆるの土砂も一緒にどっと流れ出る。これが土石流…。
というような感じで、見えない所で、空気や水の流れが起きていて、これが非常に大事なんだそうです。
こういった自然の仕組みに倣って、穴を掘ったり、溝を掘ったり、デコボコをあえて作ったりすると、そこに空気の流れや渦が起こり、地面の中の環境にも影響を与えるのだとか。
これが、土地の表面をちょっと掘っただけでも随分土質の変化が起こるらしい。
今回の浸水で泥が大量に流れ込んで来ているので、除去をしつつの穴掘り作業となりました。
ブロックで固められた淵に溝を掘っています。一部掘削してはけ口をつけていました。
空気の流れができると、水分もそこからはけるとのこと。また、その循環の中で微生物が活性化し土質が変化してくるらしいです。
庭の石積みの淵や木の周りにもスコップで溝を掘る。直線ではなくうねることで、渦を呼び込み、空気の取り込みと微生物の活性化を図るようです。土質も変わり、植物も元気になるらしい。
家の基礎の淵にも溝を掘り、所々に大きめの穴(点穴)を開けています。点穴が空気の循環を促します。
固められて圧縮された家の下からの空気のはけ口を作ると同時に、空気の流れを呼び込み、家屋下の湿気や土壌の改善を行います。
溝を掘っておいたら、あとは空気と微生物にお任せで環境が変わっていく。
自然というのは奥深いですね。